サークルディフェンスについて
みなさん、、お久しぶりです。れうすです。
今日はTwitterで見かけたサークルディフェンスについて扱います。どういう関係かはわからないのですが、僕の高校時代にこのサークルディフェンスと全く同じことをしていて、もう4、5年程前からあったシステムではあるのですがこの際誰が提唱したのかとかはどうでもいいので少し中身を見ていこうかと思いますw(どうやら2013年頃からあったらしいのでうちのチームが強ければ着目されていたかもしれませんww)
今回突然サークルディフェンスについて扱うきっかけはこちらのツイートでした。
.@susumushibatani さんと @Ballistrund さんのMac Fan2017年5月号の記事が大変面白いので回覧。フットボール(もとい球技全般)でそもそも数的優位/位置的優位がなぜ大事なのかをデータの側面から根拠づける内容になっていて読了感あります。
— カツオサイクロン🌪 (@GATE12JPN) 2017年11月28日
リンク先:Googleブックス( https://t.co/EVc8E8sLpf ) pic.twitter.com/OiCELBzLNJ
カツオサイクロンさんがオススメされていた記事ということもあり、少し読んでみたところ「あれ?これ聞いたことあるぞ!?てかやった事あるぞ!?」となったわけなんです。
その後カツオサイクロンさんとTwitter上でやり取りを交わすうちに当時のことをいろいろ思い出したりして、アウトプットしてみようと感じたので今回のテーマにしました。ということでサークルディフェンスについて高校時代の経験をベースにして、どのようなシステムで、どのようなメリット、デメリットがあるのかということを中心に書いていきます。
・サークルディフェンスのメリット、デメリット
サークルディフェンスとはどのようなシステムなのでしょうか?先のツイートで挙げた記事にも書いてあることなのですが、チーム全体を円に見立てて、その軸線を相手にぶつけてボールを吸い取るディフェンスです。それに対し、従来のディフェンスをフラットディフェンスと呼んでいるのですが、このフラットディフェンスのイメージはチーム全体をブロックと見立てて、ブロックで相手の前進を阻むディフェンスといえるので、考え方がかなり変わります。
サークル:全体=円 、軸線をぶつけ、ボールを吸い取る
⇅
フラット:全体=ブロック、ブロックによってボールを弾く
図によるイメージにするとこうなります。
こちらがフラット
こちらがサークルになります。
では、このような配置とイメージの違いが何をもたらすのでしょうか?
一つはボールホルダーへのプレッシャーのかかり方です。
作戦版上ではかなり分かりづらいのですが、サークルは相手のボールホルダーに軸を向けるというコンセプトであるため、ボールホルダーに向けた軸線にたいして線対称の人の配置になるのでボールホルダーから見ると自分に対して向かっているプレーヤーが約10人いるように見えるわけです。(実際監督にはこの10人が相手を向くというのはかなり重要視するように言われていました。)
2つめはカウンター時の人数が多いことです。先ほど挙げたように軸線に対して線対称というのはつまり逆サイドのプレーヤーがかなり前に出ているということであるので、ボール奪取時に軸線を全く逆に向けると、カウンターの強度がかなり高くなります。基本的にサークルディフェンスは中央で奪うことが多いので中央で奪いそのまま逆サイド(ハーフスペース)に展開すると一気に数的優位のカウンターです。ハマるとえぐいですw
3つ目はスライドの距離の小ささです。
サークルディフェンスは基本的にサークルの外側を回されることがかなり少ないのですが、外側で回される場合はその都度ボールホルダーへ軸線を向けていくのですがこの場合、大体サークルの周に沿って少し動くと大体スライドが完了します。
スライド距離も小さいですし、何よりスライドの向きがあまり変わらないので、ポジションのズレが小さくなる傾向があります。
対するフラットは
スライドの向きが変わることと距離が長いことによって、ポジショニングのズレが出やすいことがわかるかとおもいます。
当たり前といえば当たり前ですがフラットは敵陣逆サイドは空けているわけでその広大なスペースを再び埋めるためにはスライド距離が長くなってしまうわけです。逆にサークルはそこを元々埋めているわけですからそこまでスライド距離は長くはないということです。
ここまでメリットを見てきましたが、逆にデメリットももちろん存在しています。
例えば裏ポンに滅法弱いということです。丁寧なビルドアップをしてくるチームをいかにハメるかということから逆算してポジショニングを仕込んでいるため、裏のスペースがかなり広大に空いていて実質CB1人でカバーするような状態です。雑な縦ポンならまだ対応出来なくはないですが、こちらの逆サイドバックへの斜めのクロスファイアには全く対応できません。なのでサークルディフェンスを止めなければいけません。
他にも、チーム全員に高度な戦術理解度が問われます。中央のプレーヤーはヒト基準のポジショニングをすると全く持ってハマりません。スペース管理をしつつ中へのパスをかなり強く行かなければならないという難しさがあり、サイドプレーヤーは同サイドはきちんと縦をきりつつ中ドリをさせずプレッシャーーかけ、逆サイドは小さいサークルの裏のスペースをケアしつつサイドチェンジに対応できる、なおかつ2人以上見なければならないという難しさがあります。走行量が少なくなる分、ポジショニングが狂うと効果半減どころか効果なしとなるのがメチャクチャ難しいです。なので導入がかなり難しいです。
・サークルディフェンスの導入
サークルディフェンスの狙いは中で奪って逆サイドでカウンターです。中で奪う理由は軸線を向けているので、その軸線上が最もプレッシャーがかかるということになります。さらに、中央へパスを入られた時、文字通り360度からプレスがかかるため相当なプレッシャーになり奪いやすいからです。
サークルディフェンスをやる上でイメージして欲しいのはロボット掃除機のルンバですw
ルンバって進行方向を向いてから動きますよね?そして最後にはゴミを吸い込んでしまうwあのイメージがじつはかなりピッタリです。そのイメージを実現するためにいくつか約束事があるのでそれを確認します。
一つ目、門をつくる。
相手のパスコースを限定するためにまずボールホルダーに対して2人が1stDFとなって外へのパスコースとやり直しのパスコースを消します。つまり「相手のボールが通る門」を作るわけです。言い換えれば1stラインの形成です。このとき特に重要なのはサイドハーフが縦を切ることです。やり直しはまあ許してもいいですが縦に行かれたら終了なので。
それによって、パスコースは青7、青4になりますが、ポジショニング的に7は厳しいので基本的に4に入ることが多いです。
よって、その青4をケアするためにDFはボランチが「斜めに」前進して2ndライン形成し、プレスをかけます。(逆サイドに行かせたくないので背中からぶつかるイメージ。)基本的にはこの青4へのパスコースが狙いどころになります。
さて、ここで2つ目の約束事である逆側のCBが中盤に進出する。が出てきます。
まず、門をつくる時点でボランチが前進するというのはかなり怖いものです。なぜならバイタルをガッツリ開けることになるのでどうしてもビビってしまうんですね。次の図の状態ですね。
よって、この状態を解消するために逆サイドのCBが中盤に入りスペースを埋めてケアします。(それに伴い逆サイドのSBも少し絞る。)
ボランチ2人+CBの3人で小さいサークルを形成し、この小さいサークルで引っ掛ける。という状況を作るわけです。
このときの注意点はうちのチームでも怖がってボランチが前に出ないことがあったのですがその瞬間に終了です。なぜなら、そのままクロスファイアされる可能性が非常に高いからです。その状況が次の図です。
一気に擬似カウンターに持っていかれ、大ピンチを招きます。
戦術理解度が必要と言われるのはここあたりにポイントがあります。逆サイドへのクロスファイアはさけなければならないのでそれを予測したポジショニングが必要なので難しいんですね。それを理解し正しいポジショニングを取れるかが鍵です。
さて、サークルディフェンスについて書きましたが、いかがだったでしょうか?かなり分かりづらい記事になってしまったかもしれないのでもし質問等あればTwitterもしくは記事へのコメントをお願いしますm(_ _)m
Twitter→@gin3421