フットボールの参考書

自分のサッカーに関する考えのアウトプットの場です。文字通り「参考」にして頂けるとありがたいです。

ポジショナルプレー概論1

皆さん、こんにちわ、れうすです。最近サッカーに関するものを見ていると、Twitterをはじめとする様々なところでポジショナルプレーという言葉をよく目にしますね。自分が最初に目にしたのはグアルディオラ総論という本で、はじめはよく分かっておらず「なんだこれ?」と思っていたのですが、グアルディオラ総論を読み進め、さらに、ネットで見かけた解説などを見たり、マンチェスターシティの試合を見るうちに理解が深まってきたので、今回は自分なりに分解してお伝えしようと思います。

・ポジショナルプレーを理解する上で

 巷で話題になっているこのポジショナルプレー。ポジショナルプレーとはなんなのか?というのをなるべくわかりやすく話していきたいと思います。この項では、ポジショナルプレーを理解する上で必要な前提を確認することになります。まず、ポジショナルプレーときいてイメージするものとしてありがちなのが、ポジショナルプレー=ポゼッションという認識です。何故このような認識になるかといえばこのポジショナルプレーの代表として挙げられるのがマンチェスターシティやナポリなどポゼッションという手段を用いて戦うチームだからなのではないでしょうか?まず、ポジショナルプレーというのは戦術ではなく、概念であるということが鍵になります。(ポジショナルプレー≠戦略、戦術ポジショナルプレー=概念

ペップはあくまでこのポジショナルプレーという概念に基づき、それを実践する手段としてボールを保持するということを選択しているに過ぎません。事実アトレティコマドリーや今季のバレンシアなど一般的にカウンターを主戦術にしているチームもポジショナルプレーを実践しています。なので理解して欲しいことは、

ポゼッション=プレーモデルを実現するための手段→「戦略」

                                   

ポジショナルプレー=「戦略」や「戦術」の上位に位置される「概念」であること。

となります。

 

 もう一つ確認すべきこととしてポジションという用語についてです。これはこのブログにおける便宜上の確認ではあるのですがポジションという用語の意味をある程度限定していくということを確認してください。かなり表現として難しいのですが、一般的にポジションというと、二つの使われ方があります。

  1. システム、フォーメーション上の役割を表す意味でのポジション(ex.センターフォワードセンターバックなど)                 
  2. プレー中のプレーヤーの位置(立ち位置)

これらはみなさん自然に使い分けていると思うのですが、ポジショナルプレーを理解する上で2の意味で理解すべきところを1の意味でかんがえると全く意味が通じなくなってしまいます。なので、本文中では基本的に2の意味でポジションということばを使うのでそのあたりを確認いただければと思います。

 

まずこのことを確認した上で、次の項でどのような概念なのかということを書いていきます。

 

・ポジショナルプレーという概念

さて、ここからポジショナルプレーという概念に深く手を入れることになります。まずポジショナルプレーという概念がどのようなものなのかを抽象的に表現していきます。

ポジショナルプレーとは、よいポジションに位置するプレー

うーん………さすがにこれでは意味が分からないですね( ˘•ω•˘ )、しかし、実はポジショナルプレーがどのようなプレーなのかを理解する上では、まずこのかなり抽象的な良いポジションに位置するということを念頭に置き、この良いポジションとはなんなのか?を掘り下げていくことが理解への早道になりるのです。ではこれを踏まえて、早速良いポジションとはなんなのかを順番に掘り下げていきましょう。

✩良いポジジョンとは?

そもそも良いポジションとはなぜ「良い」と呼ばれるのでしょうか?これはポジショナルプレーという概念に大きく関わるものですが、まずポジショナルプレーの理論化に大きく貢献したファンマ・リージョの言ったことを要約すると

各選手、監督は、選手間の相互作用を引き出しながら行動すべきである。

ということを言っています。このことから「良いポジション=味方との相互作用を引き出せるポジション」と言えるのです。では味方の相互作用を引き出すというのはどういうことなのか?例えば、2vs1の局面で言うなら「ボールホルダーではないOFはDFが同時に守ることの出来ない位置にサポートをする」が代表例(あくまで代表例。定義ではない)となりますね。

これを図でざっくりと説明してみます。

図1
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図2
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図1ではDFはボールホルダーのAに対してアプローチするとBへのパスによってフリーで前進されてしまい、図2ではBをマークしようとするとAにドリブルで前進されてしまう。図でいうとBは「いいポジション」を取っていたと言えるのです。ではこのいいポジションを言語化するとどうなるのか?それが有名な3つの条件となるわけです。

  1. 数的優位をもたらすポジション
  2. 位置的優位をもたらすポジション
  3. 質的優位をもたらすポジション

ポジショナルプレーを少し学ぶと必ず行きあたるワードであると思うのですが、この三つをみたすのが「良いポジション」になるというわけです。図で言うならば、Bは

  • DFに対して2vs1の数的優位をもたらしている
  • BはDFよりゴールの近くにおり、なおかつ視野の外にいるため配置的優位に立っている。

(質的優位も満たしてはいるが、これらの条件は先の記事で述べるため割愛)

と、優位の条件を満たしている「良いポジション」に立っているということがわかります。

今回はポジショナルプレーのコンセプトの「良いポジション」についてざっくりと(概論なのでw)解説したところで終わりたいとおもいます。

ポジショナルプレー概論2 - フットボールの参考書へ続く。